最判昭45.11.24 株主平等原則

最判昭45.11.24 株主平等原則

昭和45()642 贈与義務履行請求 昭和451124日 第三小法廷  判決  棄却 民集 第24121963

 

大阪高等裁判所 昭和43()932  昭和450127

 

判示事項

特定の大株主に対する金員の贈与契約が株主平等の原則に違反し無効であるとされた事例

裁判要旨

会社が、一般株主に対しては無配としながら、特定の大株主に対して、無配直前の配当に見合う金額として、報酬名義で月額八万円、中元および歳暮名義で各五万円を呈することを約した贈与契約は、株主平等の原則に違反し無効である。

参照法条

商法290条,商法293

 

         主    文

     本件上告を棄却する。

     上告費用は上告人の負担とする。

 

         理    由

 上告代理人吉田鉄次郎の上告理由(補充書記載の分を含む)について。

 本件贈与契約が締結されるにあたり、上告人が当初要求した月額金一〇万円は、昭和三八年三月の決算期(被上告会社において無配決算となる直前の有配の決算期)における上告人およびその家族所有の株式二〇六、五〇〇株についての、利益配当率一割二分、一株につき金六円の割合で計算した配当金年額金一、二三九、〇〇〇円の一か月分金一〇三、二五〇円に見合うものであり、この金額を基礎として本件贈与契約が締結されるに至つたものであり、本件贈与契約は無配による上告人の投資上の損失を填補する意味を有するものである旨、そして、本件贈与契約は右のように株主中上告人のみを特別に有利に待遇し、利益を与えるものであるから、株主平等の原則に違反し、商法二九三条本文の規定の趣旨に徴して無効である旨の原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯でき、右認定の過程において採証法則違背は認められない。所論は、原審がした右事実認定を非難し、原判決の認定した事実と異なる事実または原判決の認定しない事実に基づいて独自の見解を述べるものであるが、原判決に所論の違法はない。論旨は採用できない。

 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

     最高裁判所第三小法廷

         裁判長裁判官    松   本   正   雄

            裁判官    下   村   三   郎

            裁判官    飯   村   義   美

            裁判官    関   根   小   郷

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