最決平24.9.27

最決平24.9.27
平成
24()11  道路交通法違反被告事件に係る略式命令に対する非常上告事件  平成240927日 第一小法廷  決定 破棄自判

 

大分簡易裁判所  平成23()867 平成231115

 

判示事項

検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかった検察事務官がした公訴に基づき発付された略式命令に対する非常上告が認められた事例

参照法条

刑訴法454条,刑訴法4581

 

主 文

  原略式命令を破棄する。

  本件公訴を棄却する。

 

理 由

 大分簡易裁判所は,同裁判所平成23年(い)第867号道路交通法違反被告事件において,同年11月15日,被告人を罰金5万円に処する旨の略式命令を発付し,同命令は,同年12月7日に確定した。

 しかしながら,一件記録によると,原略式命令は,同年11月14日付け起訴状による略式命令の請求に対して発付されたものであるところ,同起訴状に起訴検察官として検察官事務取扱検察事務官である旨表示された検察事務官は検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかったことが認められ,同起訴状は真正に権限ある者によって作成されていなかったことが明らかである。したがって,本件略式命令の請求は,公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であり,同裁判所としては,刑訴法463条1項,338条4号により公訴棄却の判決をすべきであった。そして,起訴状が真正に権限ある者によって作成されていなかったことは,手続の前提となる事実の誤認ではなく,手続そのものについての誤りであるから,同裁判所が原略式命令を発付したことは,同法454条の「事件の審判が法令に違反したこと」に当たると解するのが相当である(最高裁昭和25年(さ)第39号同26年1月23日第三小法廷判決・刑集5巻1号86頁,最高裁昭和25年(さ)第40号同27年4月23日大法廷判決・刑集6巻4号685頁参照)

 よって,本件非常上告は理由があり,原略式命令は,法令に違反し,かつ,被告人のため不利益であるから,刑訴法458条1号により原略式命令を破棄し,同法338条4号により本件公訴を棄却することとし,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

 検察官谷川恒太 公判出席

(裁判長裁判官 白木 勇 裁判官 櫻井龍子 裁判官 金築誠志 裁判官横田尤孝 裁判官 山浦善樹)

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